Q: 薬局で購入できる薬と、処方せんで調剤してもらう薬の違いは?
街の薬局で売られている薬(市販薬)は、誰でも自由に買うことができ、その薬局で相談して使える薬です。
胃薬、かぜ薬などはその時の症状を想定して、数種類の成分を幅広く効果的に配合してあります。
一方、病院でもらう薬(医療用医薬品)は、多くは単一成分の医薬品です。
医師が患者さんを診察し、患者さんの体質・体力・年齢を考慮した上で、その時の症状に最も適した薬の種類や量を調節して処方されています。
そのため、患者さん独自の判断で用法・用量を変えたり、服用(使用)を中止すると副作用等の危険を生じる場合があります。
服用(使用)している医薬品について疑問をお持ちになられた場合には、医師・歯科医師または調剤した薬剤師に相談してください。
Q: 購入した薬は、どれぐらい使えますか?
有効期限や使用期限は、未開封で指定の保存状態における品質保証期間を表します。
一旦開封しますと、保存条件や使い方により品質が大きく変化するため、開封後の使用期限は一律に決めることができません。
しかし、しっかり栓をして、湿度の低い冷暗所に保存すれば、表示の期限が一応の目安にはなると思います。
目安の期限内であっても、一度手にした錠剤を瓶に返すと錠剤にカビが生えたり、目薬の容器に目や手を付けると、微生物が液中で繁殖して浮遊物が現れたりしますので、外見上何らかの変化が認められるときには、使用を中止してください。
医師から処方された医薬品の場合は、薬を飲む必要がなくなった時点で廃棄するようにしてください。
Q: 薬の保管で気を付けることは?
薬は種類によって、保管方法が違います。救急箱に保管しないほうがよい場合もあります。
まず、全ての薬は、高温・湿気・日光を避け、子供の手の届かない場所に保管してください。
パッケージなどに購入時期や有効期限を記載し、古くなった薬は使用しないでください。
坐剤・シロップ剤は原則として冷蔵庫に保管しましょう。
他の容器に移し替えないこと。
Q: 薬の相互作用(飲み合わせ)とは?
2種類以上の薬を同時に使用した場合、薬が互いに影響し合って、薬の効き目が変化することがあります。
また、単独使用の時には現れない副作用が起こることもあります。
これを「薬の相互作用」と言い、服用する薬の種類が多くなればなるほど、相互作用が起こる可能性が高くなります。
副作用や相互作用を防止するため、薬を何種類も飲むときは、服用中の市販薬・処方薬を全て医師や薬剤師に報告するようにしてください。
Q: 薬と食べ物にも相互作用はありますか?
食べ物によっては、影響を受ける組み合わせがあります。例えば、
ワルファリン(血栓を防ぐ薬)と納豆(その他クロレラ、青汁等のサプリメント)
ワルファリンの作用が弱められます。
カルシウム拮抗剤(血圧を下げる薬等)とグレープフルーツジュース
血圧を下げる作用等が強まります。
テオフィリン(喘息の薬)とタバコなど
テオフィリンの作用が弱められます。
薬によっては、注意を要する食べ物があるということを覚えておいて、薬を受け取ったら、注意すべき食べ物や飲み物を薬剤師に確認するようにしてください。
また、薬とアルコールの相性はとても悪いので、薬を飲んでいるときは、なるべくお酒を控えてください。
Q: 「食間」指示の場合、いつ薬を飲めばよいのですか?
「食間」とは、食後約2時間が経過した時期を指します。
食事中にという意味ではなく、食事と食事の間に服用するということですので、間違わないようにしてください。
この服用時間は薬の性質に基づき定められていますので、守らないと効果が弱まったり、不都合が生じることもあります。
例えば、胃に食物がない時に服用した方が効果的である漢方薬などでは、この「食間」服用が指示されることがよくありますが、アスピリンのように胃に負担をかける薬を「食間」に服用すると胃の調子が悪くなる方もあります。
また、利尿剤を就寝前に服用すると、夜中に何度も起きてトイレへ行くことになります。服用時間はしっかり守ってください。
「食前」 食事の約30分前
「食後」 食事の約30分後
「食間」 食事の約2時間後
Q7: 薬歴とは何でしょうか?
医師が患者ごとのカルテを作るのと同様に、薬局でも患者さんごとの薬の服用履歴等や、食べ物のアレルギーなどを伺い、その情報を記録しています。
これが「薬歴」と呼ばれるもので、薬を正しく安全に、そして効果的に使っていただくための大切な記録です。
薬剤師はこの記録を参考にして、例えば別の病院から既に同じような薬が処方されていないか、アレルギーを起こすような薬は含まれていないか等を確認することができます。
問題があれば、医師に連絡して処方内容を検討してもうこともありますし、普段あまり気にせず服用している市販薬等との飲み合わせもチェックできるなど、薬歴はとても大切な記録です。
薬を安全に使うための必要な記録となりますので、薬剤師の質問にはなるべく答えるようにしてください。
もちろん、内容等は個人のプライバシーを尊重し、患者さんの了解を得ずに他人へ公開することはありません。
(参照:京都府薬剤師会ホームページ)